整理の参照点

作業においても私生活においても整理が重要です。基本的な概念にReduce 削減、Reuse 再利用、Recycle 再生利用の3Rがあります。

メルカリやジモティーなどの登場でより身近になったリユース、生活に溶け込んでいるリサイクルの対象はモノに対してです。

しかし3Rの中核をなすリデュースはその対象や視座が必ずしもモノにはなりません。

生物-廃棄物、人類-環境問題、製造業-消費物、消費者-廃棄物…という単純な結びつきにはなりません。そうした不確定さは自分たちが何を選択し、実行すべきなのかあやふやになってしまいます。

 

これは消費者がモノを過剰に溜め込み、「もったいない」の一言で整理を躊躇してしまうことと同質であり、その視座や目的が不明確であるがゆえに膠着した状況になります。話は逸れますが、これは「コストパフォーマンス」なる言葉を濫用する問題とも同質です。「削減」も「もったいない」も「コストパフォーマンス」もヒトに対して使うべき言葉ではありませんが、現実問題としてヒトに対して濫用され、悲惨な状況を反映させ続けています。

リデュースは3Rの入口であり出口です。「削減」のシネクドキー（もしくはメトニミー）には「間を空ける」という言葉があります。それは区切ることでも踏ん切りをつけることでもモノやヒトとの関係性を断ち切ることでもありません。余裕を生み、内外の資源を十分に活用するためのものです。

 

私たちは余裕があるから大量生産するのではなく、そうでもしないと存続できないと思い込んでいるから生産するのであり、どれほど廃棄物処理技術が向上したところで、私たちがそれに甘んじて処理能力を上回る廃棄物を出す可能性を考慮しなければなりません。言葉でも廃棄物でも決してゼロにはならないからこそ、空間でも、人間関係でも、社会生活でも、批評でも、心でも…間を開けることが、それぞれの胸の内にその状況に応じた主語という語りの視座を再認識し、周りを見据えることが求められているのではないかと思います。

 

 

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