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孤独死現場に残る黒いシミとは?遺体に起きる変化について

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こんにちは。遺品整理専門エピローグシオンのスタッフです。

さて、本日は孤独死現場に残る黒いシミの正体についてお話したいと思います。

孤独死現場と聞くと、どのような情景を思い浮かべますか?

そもそも孤独死とは、誰にも看取られず、お部屋の中で1人亡くなってしまうことを指します。

その後すぐに第三者に発見してもらうことができれば良いですが、残念ながら発見が遅れてしまうことも多いことが現状です。

発見が遅れるとご遺体は腐敗を始めてしまうので、孤独死現場は目を覆うばかりの惨状なのです。

よく、ドラマなどで見る「事故物件」などでは、なぜか畳や壁に黒いシミが残ったままの状態で次の入居者に貸し出しがされているシーンを目にしますよね。

本来であれば、黒いシミや跡が残っている状態で次の入居者に貸し出しがされることはまずありえないのですが、極めてまれにその状況に陥ってしまうこともあるのかもしれません。

では、そんな「黒いシミ」の正体についてどんなものであるのか皆様はご存じですか?

今回は、その黒いシミの正体や遺体の腐敗が進む過程についてご紹介したいと思います。

その後、特殊清掃の作業内容や注意点等についても解説致しますので、ご興味のある方はぜひご覧くださいませ。

孤独死現場に残る黒いシミとは

孤独死現場

早速ですが、ホラー映画等で見られる「黒いシミ」が一体どんなものであるのかについてご紹介いたします。

結論から申し上げますと、黒いシミの正体は、『ご遺体から漏れ出た体液の跡』です。

一度体液が広がると、いろんなところに染み込んでしまいます。

本来であれば、特殊清掃作業で体液が染み込んだ床ごと撤去されるため、体液が染みた状態で部屋が貸し出されることはありえません。

その体液が染み込んだ床がそのまま残っていると、『黒いシミ』として汚れが残っているように見えるのです。

しかし、床に残っているシミが必ずしも体液であるとは限りません。

キッチンなどでお醤油がこぼれてしまった場合、そのまま放置されていると、床が黒ずむこともあります。

黒いシミが100%体液であるとは限りませんし、体液が残ったまま貸し出されることも可能性として限りなく低いため、貸し出されたお部屋に『黒いシミ』があったとしても、必要以上に驚くことは無いかもしれません。

体液とは

先ほどご紹介した、体液とはどんな液体なのでしょうか?

体液とは、人間の体内に流れている様々な液体成分の総称です。

人が亡くなってしまった後、適切な処理をしないまま放置していると遺体の腐敗が進みます。

腐敗が進むと、遺体の目や口、耳や毛穴などから体液が漏れ出るようになります。

その体液こそが黒いシミを作り出しているのです。

体液に含まれる成分

体液に含まれる成分で有名なものは、血液やリンパ液、組織液などがあげられます。

そもそも体液は『細胞内液』と『細胞外液』の二つに分けることができます。

先ほど記述した血液やリンパ液等は『細胞外液』の中に含まれる成分となるのです。

なぜ黒い色なの?

誰もが知っている血液は赤いイメージがありますよね?

また、リンパ液や組織液等は基本透明色、もしくはやや薄く黄色みがかかる程度の色です。

血液が赤色で、その他のリンパ液や組織液が透明色であるとするならば、なぜ孤独死現場に残るシミは黒いのでしょうか?

その原因は、酸化です。

血液が体内から排出されると、直接空気に触れることになります。

血液が空気に触れると血液内のヘモグロビンという成分が酸素と結びつきます。

結びついた瞬間は鮮やかな赤色に変化しますが、その後時間が経過すると茶色や黒に変色していきます。

そのため、孤独死現場で床に残るシミは黒色が多いのです。

死後、ご遺体に起きる変化

ここからは、時間経過ごとに起きるご遺体の変化について解説していきたいと思います。

この死後に起きる遺体の変化は以下のものが順番に現れます。

1.体温低下(直後)

人が亡くなるとすぐに体温が低下していきます。

体温が低下する理由は恒常性の消失によるものが原因です。

外気の気温の影響を直に受けるため、体温も下がっていきます。

末端から徐々に下がるため、露出している顔面が蒼白して見られやすいでしょう。

重力による影響で、顔が扁平して見えるといった変化も現れることもあります。

2.死後硬直(1~2時間後)

死後1~2時間以上経つと、下顎から順番に関節が動かなくなり、筋肉も硬直していきます。

3~6時間以上で硬直が全身に見られるようになります。

この現象は死後硬直と呼ばれ、硬直してしまうと動かすことが難しくなってしまいます。

しかし、半日~1日の間に硬直のピークに達すると、その後徐々に硬直が解けはじめます。

3.死斑が見える(1~2時間後)

重力によって血液が下がり、体の表面にうっ血した箇所(死斑)が見られるようになります。

なぜ、血液が下がるのかといいますと、心配が停止すると血液も循環しなくなるからです。

動かなくなった血液は重力に従い、移動していきます。

仮に仰向けの状態で亡くなった場合は、背中やお尻の部分に死斑が出やすくなるのです。

死斑は死後1~2時間後に見られ始め、12~20時間後には顕著に表れるようになります。

4.腐敗(48時間後)

死後、48時間以上が経過すると、腐敗が始まります。

体内の細菌群(中温菌)が異常繁殖することにより、胃や腸などの消化器系から腐敗を始めていきます。

この細菌群は遺体を栄養源として増え続け、遺体が完全に分解されるまで止まることはありません。

消化器系から始まった腐敗はやがて全身の腐敗へと進み、体からは腐敗臭が漂い始めます。

5.ガスの発生(72時間後)

死後、72時間が経過すると、体内からでガスが発生します。

そのガスの中に含まれている成分が科学反応を起こすことで、ご遺体の腹部に淡い青色が現れます。

やがて全身が青白く変色すると、全身に溜まった腐敗ガスによって体が大きく膨れ上がっていきます。

膨れ上がった遺体はその時点で個人の識別が難しくなってしまい、その姿は「巨人様観」とも呼ばれています。

6.体液が漏れ出る(72時間後)


ガスによる全身の膨張からしばらくすると、皮膚がもろくなり始め、全身の肌が赤黒い褐色に変色し、その後は徐々に黒色へと変色します。

このときの体からは、腐敗した体液が目や口、毛穴などの穴という穴から溢れています。

さらに皮膚に少しでも刺激があると、皮膚が破れ血液が流れ出ていってしまいます。

もしも、孤独死された状態でこの時点まで発見されないと、体液が床や壁に染み込んでいってしまうのです。

7.害虫の発生

この時点で、遺体からはすさまじい腐敗臭がしています。

その臭いはとても強力で、窓やドアの隙間、排水溝等から漏れ出ていきます。

その腐敗臭に引き寄せられたからハエが遺体に卵を産み付けます。

それがウジとなり、体中にウジがはい回るようになってしまうのです。

悪循環なことにウジが成虫になるとハエとなり、さらに卵を産み付ける、というサイクルが続きます。

ハエは、1回の産卵で100匹以上もの卵を植え付けてしまうため、あっという間にハエが大量発生してしまうのです。

特殊清掃とは

上記で説明したように腐敗が進むと、遺体を運び出しただけでは細菌や臭いが消えなくなってしまいます。

そのため、孤独死現場には特殊清掃を施す必要があるのです。

特殊清掃とは、孤独死や自殺などの事件や事故が起きてしまった現場で施される専門的なクリーニング若しくは原状回復を指します。

では、そんな特殊清掃、一体どのような清掃内容なのでしょうか?

ここからは、特殊清掃で施工される作業内容についてご説明していきます。

特殊清掃の作業内容

特殊清掃の主な作業内容は以下の4つに分類されます。

それぞれどのような作業内容であるのか、詳しくご説明いたします。

1.汚染物の撤去・除去

ご遺体があった場所には、血液などの体液が広がっています。

体液が付着してしまったご遺品や畳などは、すべて撤去、もしくは除去をします。

体液には細菌が付着しているため、二次感染を防ぐべく適切に除去をする必要があるのです。

2.汚染箇所の清掃

汚染物を撤去した後は、汚染された箇所の清掃作業も必要となります。

専用薬剤や機材が必要になるため、一般的な清掃とは大きく異なります。

3.害虫駆除

先ほど記述したように、孤独死現場ではハエ等の害虫がご遺体に卵を産み付け繁殖する状況が生み出されます。

ハエは体に細菌を付着した状態で飛び回るため、部屋中に細菌をまき散らす要因となる可能性もあるのです。

そのため、ハエが繁殖してしまった場合は必ず駆除しなければなりません。

駆除をしなければ、感染症にかかってしまう恐れもあります。

またウジに関しましては、畳の隙間や床の下などいろんなところで潜んでいるので、殺虫剤では駆除しきれません。

なので、害虫駆除の際は発生源から処分しつつ、専用の薬剤を使って害虫を駆除をする必要があるのです。

4.除菌・消臭作業

臭いの元となる汚染物や体液、害虫を完全に除去したのち、除菌・消臭作業を行います。

ここの除菌・消臭作業は結果が目に見えることはありませんが、とても大切な作業です。

もしこの作業を怠れば、最近による感染症の原因となったり、ご遺体の腐敗の影響で染み込んだ『死臭』の臭いが取れていない原因になります。

『死臭』は簡単に除くことのできる臭いではありません。

市販の消臭剤や消臭スプレーでどうにかなる程度の物ではないです。

特殊清掃に関する専門的知識と専用薬剤・専用機材を用いらなければ、『死臭』を完全に消すことは難しいでしょう。

5.汚染廃棄物の適切な処理

汚染物を適切に処理することも、特殊清掃の重要な役割となります。

もし、汚染物をそのまま不法投棄したり、適切な処理を行わずに処分をしてしまうと、感染症を広める原因となりかねません。

体液が別の箇所に付着しないようきちんと梱包をしなければならないのです。

特殊清掃作業の注意点

ここまでに特殊清掃の作業内容についてご説明いたしました。

ここからは、特殊清掃作業において特殊清掃業者が注意しているポイントについて解説致します。

今回ご紹介する注意点は以下の3つです。

1.安全第一の徹底

特殊清掃という作業には感染症のリスクが付きまといます。

作業員全員や周りの人の感染を防ぐことは、特殊清掃員にとって最重要事項です。

なので、特殊清掃員は防護マスクに防護服を着用し作業にあたります。

また、近隣住民への二次感染が起きてしまわないよう、適切に汚染物を処理しなくてはなりません。

ただ、感染する可能性があるのは、故人が何かしらの感染症を患っていた場合のみです。

しかし、実際に故人が感染症にかかっていたのかどうかの判断はできかねません。

よって、すべての特殊清掃現場においては感染症を防ぐために注意する必要があるのです。

2.周囲への配慮

特殊清掃員は近隣住民に被害が及ばないよう、徹底して注意する必要があります。

近隣住民に及ぶ被害には、臭いや害虫によるものが多いでしょう。

家の中が臭うときは何となく換気をするべきであると感じてしまいますが、特殊清掃の現場でそれは厳禁です。

なぜならば、『死臭と呼ばれる臭い』は強烈であるため、その臭いが漂ってきた住民にとっては決していいものではないからです。

また、窓を開けると大量発生したハエが外に飛び出てしまいます。

飛び出たハエは近隣住民の家に侵入してしまうこともあるでしょう。

場合によってはクレームにもなりかねません。

クレームへと発展してしまうとただでさえご心痛をお持ちのご依頼者様に更なる苦痛を与える要因を招くことになってしまいます。

そうならないためにも、特殊清掃員は臭いや害虫を外に出さないよう注意をするのです。

3.適切な除菌・消臭作業

それぞれの特殊清掃現場に沿った除菌・消臭作業を行うことも、特殊清掃員にとって大切な事項です。

先ほど記述したように、特殊清掃には高い専門的知識と専用の薬剤・機材が必要になります。

使用する薬剤に関しても、状況に応じて適切な物を選定した上で使用しなければなりません。

施工に関しても、どこまでの施工が必要であるのか状況によって変わってきます。

その場で適切な作業を行い、それに見合った料金を設定することで、信頼性のある特殊清掃員であると認識されるのです。

特殊清掃作業は自分でもできる?

以上までに特殊清掃の内容や特殊清掃を行う際の注意点についてご説明をしてきました。

やり方や注意点を理解した上で、特殊清掃を自分で行うことはできるのでしょうか?

結論から申し上げますと、お勧めはできません。

自分で特殊清掃をすることで得られるメリットもあるかもしれませんが、デメリットの方が大きいです。

メリットに関しては、特殊清掃を業者に依頼する手間が省けるため、料金がかからないという点にあります。

確かに、特殊清掃というサービスは危険性も伴い、専門性も高いため、必要となる費用は一般的な清掃サービスに比べてかなり高めであることは間違いありません。

その費用をできる限り抑えたいと思う方もいらっしゃることでしょう。

しかし、デメリットは多岐にわたるため自分で行う場合はデメリットをよく理解した上で行うことをおススメします。

自分で特殊清掃を行う際に生じるデメリットは以下の3つです。

1.感染症のリスクがある

先ほど記述したように、特殊清掃の最も大きな危険の一つとして感染症のリスクが挙げられます。

血液や体液、排泄物には、HIV、B型肝炎、C型肝炎、ノロウイルス、インフルエンザウイルスなどの感染性物質が含まれている場合があるのです。

これらに直接触れたり、吸入したりすると感染の危険性が高まります。

仮にマスクや防護服を着用しても、適切に着脱できなければ、感染のリスクは残ります。

自分が特殊清掃を行うということは、自分で感染のリスクを背負わなければならないということです。

特殊清掃に関する知識がない人がそのリスクを背負うことは、非常に危険です。

2.化学物質による被害を受ける可能性がある

特殊清掃では、一般的な食器用洗剤等ではなく、消毒剤や漂白剤、殺菌剤などの化学物質を使用します。

これらの化学物質は、適切に取り扱わないと、皮膚や呼吸器官に悪影響を及ぼす可能性があるのです。

特に漂白剤は換気を行わない等を原因に化学物質を吸い込み続けると最悪死に至ります。

使用する際は、必ず換気を行い、塩素系漂白剤と酸性の液体が混ざらないよう注意しましょう。

3.臭いが残る可能性が高い

知識や専用薬剤・機材を持ち合わせていない一般人が行う特殊清掃では限度があります。

いくら清掃に時間をかけて、綺麗になるまで拭き上げたとしてもそれは表面上だけです。

仮に、床まで体液が浸透していた場合、その床を撤去しない限り臭いは残ります。

目に見える範囲だけでも体液が除去されれば、多少は臭いの軽減につながることもあります。

しかし、臭いはすでに部屋中に広がり、市販の消臭剤では『死臭』の消臭には至らないでしょう。

亡くなられた家が賃貸であるならば、その状態で大家さんに明け渡すことは難しいです。

臭いを確実に消すためには特殊清掃業者に依頼をする方がよっぽど確実でしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

黒いシミの正体や、死後に起きる遺体の変化についてご認知いただくことはできましたでしょうか?

また、特殊清掃を自分で行うことの危険性や難しさについてご理解いただけますと幸いです。

現在、特殊清掃・孤独死清掃などでお困りの方は、ぜひ当社エピローグシオンまでお気軽にご相談くださいませ。

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