第2回 : モノへの敬意とエゴ
2022/07/27
「戦後物資が不足した時代を知っているから」
「いつか役に立つ。実際に最近役に立った。捨てないで良かった」
私の祖父はそう言って頑なにモノを捨てなかった。バケツ、カーテンレール、工具、カーペット、インスタント食品など大小問わず様々なモノがあった。ためこむにあたり用意した回答に噓はないが、ひとつの事象のためにより多くの事象に目をつぶっている。確かに戦後物資は不足しただろうが、通常それ以降の生活の質は向上し、モノが増えていくさまをみてきたはずである。
またモノがあればあるほど何か必要になった際には有利であるのは当たり前のことであるが、厳密に考えるとそれはためこむ理由にならない。空間は無限にあるのではなく、必ず取捨選択しなければならない時が来る。通常モノを捨てる時、有用性や使用頻度、価値、思い出の有無などで判断する。モノを捨てないということは、そうした判断を保留にするということだ。二つの回答に共通しているのは「もったいない」という後ろめたさである。
確かに「もったいない」は後ろめたさの現れであるが、肯定的な動機もある。例えば長年使ったタオルの吸水性が落ち、雑巾にすることがある。これも「もったいない」と感じるがゆえの行為である。同じ「もったいない」でも、モノとの関係における自分(或いは、モノと自分との関係性)に対してなのか、純粋にモノに対してなのかという違いがあるのではないか。当然ためこむ人のなかには「まだ利用できる」というモノに対する肯定的な考えもある。しかし人がモノに対する「もったいない」という動機と再利用という目的をもったところでそのモノを消費しなければ、再利用した意味がない。使わなくなった古いタオルを雑巾にしたところで使わなければたまる一方である。肯定的な「もったいない」には「使いつぶしてあげる」というモノに対する敬意が含まれる。そして私たち人間が抱く敬意には限度がある。ためこまれた大量のモノすべてに敬意を払うことなど誰にもできない。
私たちに寿命があるようにモノにも寿命がある。再利用とはその寿命を先延ばしにしているに過ぎない。モノにも必ず終わりが来る。購入して消費して処分する一連のサイクルをあくまでも私たちの都合で少しだけ延ばしているに過ぎないのだ。そこには私たちのエゴが潜んでいる。
ためこむ行為が「人間が自分自身の意図や自分の真の欲望について無知であることの象徴」(※1)であるならば、少なくともそうした「自覚」は無知の知への手掛かりになるだろう。
※1 Virilio, Paul.(2002) Ce qui arrive, éd. Galilée.
(ポール・ヴィリリオ 青山勝・多賀健太郎 (訳) (2003). 自殺へ向かう世界 NTT出版 p.49)
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