「今日こそは片付けよう」と思ったのに、結局ソファでスマホをいじっているうちに夕方になってしまい、ダメだなあと自己嫌悪に陥ってしまった。そんな経験、多くの人に覚えがあると思います。片付けのライフハックはネットで検索すればたくさん出てきますが、その通りにできないのは、あなたの根性のせいではありません。ただ順番を知らないだけなのです。正しいステップさえ分かれば、驚くほどスイスイと片付けを進められます。
遺品整理や特殊清掃などを行っている私たちエピローグシオンは、さまざまな家の片付けに携わってきました。そんなプロの目から、なぜあなたの手が止まってしまうのか、どうしたら片付けを進めることができるのかを解説していきましょう。
- 【この記事を読んでほしい人】
- ・部屋が散らかっていて、どこから手をつけていいかわからない人
- ・片付けの方法はわかっているけど実践できない人
- ・物が捨てられず、家の中が物であふれている人
- ・引っ越しや模様替えをきっかけに、これからは片付けをちゃんとしたい人
- ・自分では片付けきれず、業者に頼みたいと思っている人
なぜ片付けられないのか?

多くの人が片付けに挫折してしまうのには、いくつか共通した理由があります。
そもそも物の量が多すぎる
まず最も大きな原因は、単純に物が多すぎることです。
収納が足りないのではなく、単純に「物の量」が部屋の限界を超えていませんか? ぎゅうぎゅうの引き出しを整理するのは、言ってみれば、満員電車で席替えをするようなものです。根本的な解決には、まず「物理的な量」を減らす勇気が必要です。
たとえば引き出しを例に考えてみましょう。
引き出しの中に入れられる物の量には限りがあります。それを超えた量の物を押し込もうとすれば、当然引き出しを閉めることはできなくなり、何かを取り出すたびに中身も崩れて、また散らかります。この状態をいくら「整理」しようとしても、物の量自体が変わらない限り、根本的な解決にはならないのです。
なぜそんなに物が多いのかという原因は、人それぞれです。「安いから」とまとめ買いをする習慣がある人、「もったいない」という気持ちから古い物をなかなか手放せない人、もらい物を断れずに受け取り続けている人。そういった積み重ねが、気づかないうちに「物があふれた部屋」を作り出すことになっています。
どこから始めるべきかわからない
片付けに慣れていない人は、「全部片付けよう」と考えがちです。しかし部屋全体を一気に整理しようとすると、途中で疲れて挫折してしまいます。結果として作業が中断し、さらに散らかるという悪循環に陥ります。
そのような「全部やらなければ意味がない」という思い込みも、片付けを妨げている大きな要因です。
クローゼットを開けたら、押し込まれた服と書類と雑貨が雪崩のように崩れてきた。「あ、これは無理」と思って、さっと扉を閉めてしまった経験はありませんか。「どこから手をつければいいかわからない」と感じるのも無理はありませんね。
でも、問題は、そこで立ち止まってしまうことです。 後ほど説明するように、「順番」と「範囲の絞り方」を知っておくと、この「どこから始めるべきか問題」の壁を越えやすくなります。最初から範囲を広げすぎると、気持ちが一気に萎えてしまうことがあるのです。
捨てる決心がつかない
「まだ使える」「高かったから」……。その気持ちはよく分かります。でも、使われない物が場所を占領し続けること自体、じつは「家賃を無駄に払っている」のと同じですよね。捨てられない罪悪感よりも、今を快適に過ごせない損失に目を向けてみましょう。
たとえば、引き出しの奥から、3年前に訪れた展示会でもらったパンフレットが出てきたとしましょう。
「このサービスを利用することはないだろうな」とは思いつつ、「でも連絡先が書いてあるかも」「デザインがかっこいいから」と手元に残してしまう。
こういった小さな「保留」の積み重ねが、物を増やし続ける原因になっていませんか? 捨てる判断が難しい理由には、このような心理的な要因も関わっています。
誰しも、心の奥底では、物を捨てることに罪悪感のようなものがあります。「お金を出して買ったのに」と思うのは自然なものですが、でも、使っていない物が場所を占領し続けることにも、一種のコストがかかっていることに気づきましょう。スペースを圧迫し、必要な物を探す時間を奪い、部屋の中の「重さ」を増やしていく。そういったコストと、捨てることへの抵抗感とを天秤にかけてみる価値があります。
忙しくて片付ける暇がない
毎日忙しくて、まとまった時間を確保するのが難しいという人も多いでしょう。そういう人ほど、「時間があるときにまとめて片付けよう」と考えるものですが、実際にはそんな機会はなかなか訪れないのも事実です。
仕事が終わって帰宅する頃には疲れていて、片付ける気力が残っていない。休日は休みたい気持ちと片付けなければという気持ちの間で揺れて、結局どちらも中途半端になってしまう。そんな繰り返しの中で、部屋の状態は少しずつ悪化していきます。
ただ、「時間がない」といっても、本当に時間がないのでしょうか。もしかしたら、「気が進まないから時間を作れていない」のではないでしょうか。一度正直に考えてみることも大切です。
たとえば通勤時間や昼休みに何をしていますか? 振り返ってみると、スマートフォンを見ている時間が思った以上にあるのではないでしょうか。結局、時間がないというより、「優先順位の問題」ということに気づけば、片付けに向けて動きやすくなるはずです。「まとまった時間がなければ片付けられない」という考えそのものを、まず見直してみましょう。
後ほど紹介しますが、片付けは、短い時間の中でも少しずつ進めることができます。大事なのは「まとめてやる」ではなく「続ける」ことなのです。
片付けがうまい人がやっている「黄金ステップ」
じつは、片付けには、絶対に飛ばしてはいけない「黄金のステップ」があります。片付けがうまい人は、この黄金ステップを守っています。

このステップで気をつけてほしいのは、「収納」は「整理」の後に行うという点です。
よくある失敗は、いきなり100円ショップへ収納グッズを買いに走ること。中身が決まっていないのに箱を買うのは、中身を決めずに引っ越し段ボールを組み立てるようなものです。
物が多い状態で収納を考えても、問題は解決しません。収納用品を増やすことは、「物を詰め込む容量を増やすこと」です。物の量自体が変わらない限り、またすぐに収納は満杯になります。そして「やっぱり入りきらない」と新しい収納グッズを買うという繰り返しに陥ってしまうのです。
まず必要なのは、物を減らすことです。
「整理」とは、ちょっと堅苦しくいうと、持っている物の中から必要なものを選び、不要なものを手放すプロセスです。この「整理」が終わって初めて、残った物にとって最適な「収納」を考えることができるのです。
また、掃除は一番最後に行うものです。片付けが終わっていない状態で掃除機をかけたり、ふき掃除をしたりしても、物が邪魔になって十分にできません。物が整理され、収納が落ち着いてから、ようやく本当の意味で「きれいにする」作業が可能になるのです。
順番を守るだけで、片付けの効率はまったく変わります。「なかなか片付かない」と感じている方は、まずこの順番を意識してみてください。
最初の30分でやるべきこと

「よし、今日から片付けよう」と一念発起したら、「最初の30分をどう使うか」ということが非常に重要です。というのも、片付けは、小さな範囲から始めるのがコツだからです。
たとえば、いきなりリビング全体を片付けるのは、マラソン未経験者が42.195kmに挑むようなものです。まずは「財布の中」や「キッチンの引き出し一段」など、30分で終わる「聖域」を作ってください。

最初から「リビング全体」や「クローゼット全部」を目標にすると、途中で挫折する原因になります。
小さな場所でも、きちんと片付けば達成感を味わえます。その達成感が、次の片付けへの意欲につながるのです。
中の物を全部出そう
少し勇気が必要かもしれませんが、まず、その場所にある物を一度すべて出してしまいましょう。
引き出しの中身を全部テーブルの上に広げる。棚の物をすべて床に出す。こうすることで、自分がどれだけの物を持っているかを目で確認できます。そして、物の量を把握できると、必要なものと不要なものを判断しやすくなります。
「全部出す」のに抵抗感を感じるかもしれません。でも、出さないままで整理しようとすると、奥にある物を見落としたり、前の方だけきれいに見えても中身はごちゃごちゃのままになったりします。
せっかく片付けるなら、一度リセットしてから始めるほうが確実です。
出した物を三つに分ける
出した物は、次の三つに分けます。

一つは今後も確実に使うもの、二つ目は判断に迷うもの、そして三つ目は不要だと判断したものです。
この作業をする際、一番大切なのはスピードです。迷ったときは「3秒ルール」。
迷う物はいったん「保留」に入れて構いません。「今、使っている→使う」「1年以上見ていない→手放す」「どうしても迷う→「保留箱」行き、半年後にまた考える」と自分に問いかけ、悩む時間をゼロにするのが、挫折しない唯一の方法です。判断を止めず、保留にした物は、後日改めて見直せばOK。
「今日中に全部決めなければ」と自分にプレッシャーをかけてしまうと、作業が重くなり、疲れが早く出てしまいます。
たとえば引き出しの中に古い充電ケーブルを見つけて、「この機種、まだ家のどこかにあるかも」と迷うことがありますよね。そんなときは無理に結論を出さず、保留にして先に進めばいいのです。後から見直して「やっぱり使わないな」と思ったら、そのとき処分すればいいのですから。
物の定位置を決める
残す物が決まったら、収納場所を決めます。
ここで意識してほしいのは、「取り出しやすさ」です。よく使う物ほど、手前や取りやすい位置に置きます。
たとえばキッチンで毎日使うフライパンは、取り出しやすい場所のほうがいいですね。逆に、年に一度しか使わないかもしれないホットプレートは、奥や上の棚に。
「使用頻度」と「収納場所のアクセスしやすさ」をマッチさせることで、物を出した後に戻す手間が大幅に減り、散らかりにくい状態が維持できるようになります。
もうひとつのポイントは、「戻しやすいかどうか」です。
「しまいにくい収納」を作ってしまうと、使った後に元の場所に戻すのが面倒になり、結局、出しっぱなしになります。
「出しやすく、戻しやすい」場所を意識して、定位置を設定してみてください。
「捨てられない人」に知ってほしい判断基準

片付けで最も難しいのが、物を捨てる判断です。
「捨てたいけど捨てられない」という葛藤を抱えながら、結局何も手放せずに終わってしまうことがありますよね。
そこで役立つのが、いくつかの具体的な基準です。
この一年、使っていない物は?
一年間使っていない物は、今後も使わない可能性が高いと言われています。
この「一年」は、適当に決めたものではありません。
春夏秋冬が過ぎる中で一度も使わなかったということは、季節を問わず必要とされなかったということになりますから。
もちろん、季節用品(冬のコートや夏の扇風機など)は例外と考えてもいいでしょうけれども、それ以外の日用品や衣類、雑貨については、この基準が判断の目安として役立ちます。
「去年の夏から使っていないな」と気づいたら、手放すことを検討してみましょう。
「今年は使わなかったけど、高かったから捨てられない」という気持ちもわかります。ただ、使われないまま場所を取り続けている物は、その空間とあなたの精神的なエネルギーを少しずつ消費していることをお忘れなく。手放すことで得られる「スッキリ感」は、思った以上に大きいですよ。
同じ用途の物が複数ないか?
例えばボールペン、タオル、食器など、同じ用途の物が多すぎる場合は、数を減らしても問題ないことがほとんどです。
引き出しにボールペンが15本入っていても、普段実際に使うのは2〜3本ではありませんか? 会社のノベルティでもらったもの、使いかけで放置したもの、インクが出るか怪しいものなど、「なんとなく取ってあった」物が、引き出しのスペースを大きく占領しています。
まずは実際に使っているかどうかを見直し、使っていないものは手放す。それだけで引き出しの中がずいぶんと変わります。
タオルや食器も同様で、必要な枚数・個数の目安を決めておくと、それ以上増やさないための歯止めにもなります。
代替できる物があるのでは?
似た役割の物がある場合、一つに絞ることでスペースが生まれます。
「これとこれ、どちらか一つあれば同じことができる」という物は、意外と多くあるものです。
たとえば、まな板、似たサイズの鍋は複数あったりしませんか。普段からどちらも使うのなら別ですが、片方しか出番がないなら、思い切って一つに絞るのも選択肢です。
また、「使えるけど古くなった物」と「新しく買った物」が並存していることもよくあります。古い方は「いざというとき用」として取ってあるけれど、実際にはほとんど出番がない、という場合ですね。そういう物は、割り切って手放すと、収納に余裕が生まれます。
部屋別・片付けの進め方

片付けは、場所によってポイントが変わります。家の中でよく問題になる場所ごとに、具体的な進め方を説明しますね。
リビング~宙ぶらりんの物は「一時置き場」へ
リビングは家族が集まる場所なので、物が増えやすい場所です。中でも、郵便物やリモコンで埋まったリビングのテーブルは、散らかりの火種。
「とりあえずここに置いておこう」という物が積み重なって、いつの間にか雑然とした空間になってしまっていることでしょう。
まずテーブルの上を空にすることから始めましょう。
テーブルは食事や作業をするための場所ですから、本来は何も置かれていない状態が理想です。テーブルの上にある物をすべていったん移動させ、どこに置くべきかを考えながら定位置を決めていきます。
その後、雑誌やリモコン、文具などの定位置を決めます。
「なんとなくそのへんに」ではなく、「ここに置く」と決めるのが、散らかりを防ぐ一番の近道です。テレビのリモコンはテレビ台の引き出し、雑誌はラックの一段目、という具合に、家族全員がわかる定位置を設定しましょう。
一時置き用のカゴを一つ用意し、「寝る前にはテーブルの上をゼロにする」だけで、朝の空気感が変わります。
キッチン~普段使いと来客用は分けてしまう
キッチンでは、調理器具や食器が知らぬ間に増えていきます。
「便利そう」と買ったキッチングッズが、ほとんど使わないまま引き出しに眠っていることも多いです。
同じ用途の器具は、数を減らすと、収納スペースが大きく変わります。菜箸が5本ある、へらが3種類ある、といった状態は見逃せません。
実際に使っている調理器具だけを残すことで、調理中に必要な物を素早く取り出せるようになり、キッチンでの作業効率も上がります。
食器については、「普段使いのもの」と「来客用・特別な日用のもの」を分けて考えるのがポイント。来客用の食器は出番が少ないので、奥や上の棚に収納し、普段使いのものを取り出しやすい位置に置きます。また、欠けた食器や気に入っていない食器は、この機会に思い切って手放すことも検討しましょう。
玄関~履かない靴はフリマに出してもいい
玄関は家の第一印象を決める場所です。これは来客ばかりではありません。「ただいま」と帰ったときに気持ちよさを感じることができれば、生活の質は上がります。
もちろん、来客があったときには、玄関が整っているだけで「この家はきれいだな」という印象を与えてくれるでしょう。靴が乱雑に脱ぎ散らかされていたり、荷物が山積みになっていたりすると、家全体が散らかっている印象になってしまいます。
靴を整理し、日常的に履くものだけを出しておくと、すっきりした印象になります。
靴箱に入りきらない場合は、履いていない靴を別の場所に収納するか、手放すかを検討しましょう。「もう履かないけどまだきれいだから」という靴は、フリマアプリや寄付に出してもいいかもしれません。
ほかに玄関でよく見る「なんとなく置かれているもの」のオールスターとしては、傘立て、買い物袋、郵便物などですね。傘は必要な本数だけ残し、ボロボロになったものや使っていないものは処分しましょう。買い物袋は折りたたんで専用の袋にまとめるなど、定位置と収め方を決めると、玄関がすっきりします。
クローゼット~「高かった服」の悩ましさ
クローゼットでは、着ていない服が多く見つかることがあります。
「痩せたら着よう」「流行が戻ってきたら着よう」と思ってしまい込んでいる服は、残念ながら、実際に着る機会は来ないと思ったほうがいいでしょう。とくに「一年以上着ていない服」は、見直すべき。
ハンガーにかかった服を取り出して、去年その服を着たかどうかを基準に仕分けしてみましょう。着た記憶がない服は、手放す候補です。
一度、すべてのハンガーを一度「逆向き」にかけてみてください。着て戻すときに正面向に直すと、数ヶ月後、一度も触っていない(逆向きのままの)服が一目で分かります。それが、今のあなたに必要ない服です。
服を手放すのが難しいのは、「高かったから」という記憶があるからです。
確かに、奮発して買ったコートやスーツを手放すのは、財布へのダメージを改めて実感させられて、気が進まないものですよね。
ただ、着ない服がクローゼットを占領している限り、本当に気に入った服が増える余地は生まれません。クローゼットに「余白」を作ることが、衣類の管理を楽にする第一歩です。
また、学生時代に着ていた制服、旅行先で買ったTシャツなど、思い出のある服も処分できないものです。すべて取っておく必要はありませんが、気持ちに整理がつかないうちに無理に捨てる必要もありません。「保留ボックス」を作って、一定期間後に改めて判断してもいいと思います。
大事なのは最初の一歩

ここでひとつ個人的な体験談を紹介します。
私のある知人は、しょっちゅう「部屋を片付けたい」と言いながら、何年も同じ状態で過ごしていました。
なぜそんなに片付けられないのかと聞くと、「一度ちゃんとやろうと思うと、丸一日かかりそうだから」と言うのです(正直、「土日は休みなのに、そんなに忙しいか?」と思いました)。
そこで「引き出し一段だけやってみたらどう?」と勧めてみたら、最初は半信半疑だったものの、やってみたら30分ほどで終わり、「これなら続けられるかも」と言っていました。
実際、それから数週間経って彼の部屋を訪ねてみると、以前とは見違えるほどすっきりしていました。
片付けというものは、「最初の一歩」が一番大きな壁なのかもしれないと思います。
挫折しない片付けの進め方

片付けは、一度きりの作業ではありません。続けることが重要です。――と、よく言われます。でも、その「続けること」が一番難しいです。そこで、長続きするための具体的な方法を紹介します。
習慣化の魔法「片付けの15分ルール」
片付けを習慣化する方法として、「15分ルール」があります。
一日15分だけ片付けるというルールを決めることで、心理的なハードルを低くするというものです。「15分しかできない」ではなく、「15分やればいい」という考え方にシフトさせるわけです。
たとえ15分であっても、毎日少しずつ続けることで、一ヶ月経つ頃には部屋の状態がかなり変わっているはずです。
「今日は疲れているから15分だけ」と割り切ることで、行動のハードルが一気に下がります。15分のタイマーをセットして、「この時間が終わったら止めていい」と決めれば、今日からでも簡単に取り組めます。15分作業して「えっ、もう?」と思ったら、30分続けてもかまいません。
ルールと言っても、「毎日必ずやらなければ」と厳しく自分を縛る必要はありません。できない日があってもいい、くらいの気持ちで続けられる仕組みを作ることが、長続きの秘訣。
週に4〜5日でも継続できれば、月単位で見れば必ず変化があります。
「一日一か所ルール」で小さな達成感
部屋全体ではなく、「今日はここだけ」と決めるのも効果的です。
今日は玄関、今日は引き出しひとつ、今日はキッチンの調味料棚、といった具合に、毎日ひとつの場所に集中する。「全部やらなければ」という義務感を手放すと、片付けがずっと楽になります。小さな達成感を積み重ねることで、部屋全体が少しずつ整っていきます。
一か所きちんと片付いた状態を目にすると、他の場所も片付けたいという気持ちが自然と生まれてきます。
ビフォーアフターを撮ってモチベアップ
片付け前と後の写真を撮ると、変化が目に見えます。これはモチベーションを維持する効果もあります。
人は変化を実感することで達成感を得られるものです。片付けの場合、日々の変化は少しずつですから、実感を得にくいこともあります。でも、写真に残しておくと、「1か月前と比べてこんなに変わった」と客観的に確認できます。
べつにSNSに投稿することまでする必要はありませんが、自分だけが見るアルバムに記録していくだけでも、十分なモチベーションになります。
「せっかく片付けたから、きれいな状態を保ちたい」という気持ちも生まれるかもしれません。
スマートフォンのカメラアプリで撮った写真をフォルダにまとめておくだけで、手軽に「片付け記録」が続けられます。
それでも片付かない家の特徴

ここまで解説して順番とコツを意識して、がんばって片付けに取り組んでいるのに、なかなか改善されない場合もあります。そういうときは、次のような根本的な原因があるのかもしれません。
物量が多すぎる
収納の限界を超えている場合、根本的に物を減らす必要があります。
どれだけ収納を工夫しても、物の量が収納スペースを超えていれば、物理的に片付けることはできません。
この場合は、収納方法の改善ではなく、まず「手放す」ことに集中しましょう。
物を減らすことへの抵抗が強い場合は、「今の自分の生活に必要かどうか」という観点から、一つひとつ見直してみてください。
家族が協力してくれない
せっかくルールを決めても、家族が守ってくれない場合、片付けは維持できません。自分がいくら片付けても、他の家族がすぐに散らかしてしまっては、きりがなくなってしまいます。
そういう場合は、共有スペースのルールを家族で話し合って決めるようにしましょう。
「テーブルの上には物を置かない」「使ったら元の場所に戻す」など、シンプルなルールを決め、家族全員が意識できる環境を作ることが大切です。
子どもがいる場合は、子どもが自分で片付けられる仕組みを作ることを考えましょう。
ゴミ屋敷に近い状態
大量の物やゴミが堆積してしまっている場合、自力で片付けることが難しいこともあります。
物の量が膨大で、どこから手をつければよいかさえわからない、通路が確保できないほど物が積み上がっている――そういった状態になると、精神的にも体力的にも、ひとりで解決しようとすること自体が逆効果になってしまうのです。
そのような状況では、自分を責めるよりも、専門的なサポートを検討することも一つの選択肢です。
片付けを業者に依頼するという選択肢

片付けを専門業者に依頼する方法もあります。
「業者に頼む=負け」と考えてはいけません。状況によっては、業者に依頼することが最も合理的な選択であることもあるからです。
とくに、実家の片付けや整理、遺品整理、大量の不用品が出た場合、ゴミ屋敷に近い状態になってしまっている場合などでは、専門業者の力を借りることも検討してください。

これらの状況は、気力や体力だけでなんとかなるものではなく、業者に依頼することで時間と労力を大きく節約できます。
専門業者はこういった作業に慣れているため、感情的になりがちな判断(とくに遺品整理の場合など)を客観的な視点でサポートしてくれることもあります。
片付けをしてくれる業者を選ぶ際は、事前に見積もりを複数社から取ること、口コミや評判を確認すること、作業内容と料金をきちんと確認するようにしてください。
業者に依頼すると、費用はかかりますが、何週間・何ヶ月も悩み続けることに比べれば、思い切って依頼してみた方がいい場合も多くあります。
【まとめ】生活の質が上がる日のために
片付けが進まない理由は、あなたに根性が足りないからではありません。私たちプロの目から見ると、多くの場合は、順番や方法の問題であることが多いです。
正しい順番と小さな一歩を積み重ねることで、どんな部屋でも必ず変えることができます。
片付けを進めるためには、次の流れを意識することが大切です。

- ① 小さな場所から始める
- ② 物を一度すべて出す
- ③ 必要な物を選ぶ(使う・保留・処分の三つに分ける)
- ④ 定位置を決める
- ⑤ 少しずつ続ける
一度にすべてを片付けようとする必要はありません。今日は「机の引き出し一段だけ」でも、「玄関の靴棚の一段」だけでも、それで十分です。少しずつでも続けることで、部屋は確実に変わっていきます。
長年かけて積み重なった「散らかり」は、一日で解消することはできません。でも逆に言えば、毎日少しずつ続けることで、必ず変わるのです。今日の15分が、一ヶ月後の「快適な部屋」につながっています。
片付いた部屋で過ごす時間は、それだけで生活の質が変わります。
必要な物がすぐに見つかる。帰宅したときに「ほっとする」空間がある。気持ちに余裕が生まれて、家での時間をもっと楽しめるようになる。
そういった変化こそ、物理的な片付けが生み出してくれるものなのです。
まずは目の前にある「賞味期限切れの調味料」や「出ないボールペン」を一本手放すところから、始めてみませんか?






