ご依頼の経緯・相談内容
今回のご依頼は、以前にも特殊清掃をご依頼いただいたことのある、広島市東区のアパート大家様からのご相談でした。
「アパートの住人が亡くなったのですが、長く住まわれていて顔見知りでもあったため、どうしても部屋に入ることができません」とのご連絡をいただき、現地の状況を確認するためお見積もりに伺いました。
今回亡くなられた入居者様は長年こちらのアパートにお住まいだったこともあり、大家様にとっても顔見知りの方だったそうです。そのため、孤独死があった室内の状況を確認すること自体が精神的にも大きな負担になっておられました。

現地で室内の状況や必要な特殊清掃、遺品・残置物の整理についてご説明すると「信頼しておりますので今回もお願いします」とおっしゃり、その場ですぐにお部屋の鍵をお預けくださいました。
今回は、大家様に代わって室内へ入り、孤独死後に残された遺品や家財の整理、汚染物の撤去、室内清掃、死臭の消臭までを一連の作業として進めることとなりました。
賃貸アパートやマンションで孤独死が発生した場合、大家様や管理会社様にとっては、遺品や残置物の問題だけでなく、死臭や害虫、汚染箇所への対応、次の入居に向けた原状回復など、さまざまな問題が発生することがあります。
今回も、広島市東区のアパートにて、室内の状況を確認しながら慎重に特殊清掃を進めさせていただきました。
作業前現場状況
室内へ入ると、部屋の中には死臭が漂っており、さらにトイレからも強烈な臭いが発生していました。
事前に害虫駆除の処置を行っていたため、生きた害虫は抑えられていましたが、室内には大量のハエの死骸が散乱している状態でした。
亡くなられた方はベッドの上でお亡くなりになったようで、ベッド周辺には体液の跡も確認できました。

お部屋は2Kで、物量そのものはそれほど多くありませんでしたが、長年生活されていた様子が残ったままの状態でした。
家具や家電、衣類、食器類などの生活用品が室内に残されており、孤独死後の特殊清掃と並行して、これらの遺品や残置物についても一つひとつ確認しながら整理を進める必要がありました。
また、死臭だけでなくトイレからも強い臭いが発生していたため、臭いの原因についても作業後に改めて確認することとなりました。
作業内容
今回の現場ではハエが発生していたため、まず作業前に専用の薬剤を使用して害虫駆除の処置を行いました。
作業当日は、アパートのお部屋の前でスタッフ全員が手を合わせてから入室させていただきました。
室内では、体液やハエの死骸を不用意に踏み、汚染を他の場所へ広げないよう注意しながら、必要な作業動線を確保していきます。
まず、亡くなられた場所周辺にある汚染物の搬出から進めました。
体液が付着している可能性がある物については、搬出時に周囲を再び汚染しないよう、厳重に梱包を行います。
ベッドや寝具など、亡くなられた場所の周辺にあった物についても、状態を確認しながら慎重に搬出しました。
畳については、死臭が染みついていることから、すべて撤去することになっていました。
その中でも特に体液が付着している畳については、搬出時の再汚染を防ぐため、ラッピングを施したうえで撤去しました。


室内に散乱していたハエの死骸についても、作業の進行に合わせてこまめに取り除いていきました。
汚染物の撤去を進める一方で、その他の遺品や残置物についても分別を行います。
特殊清掃の現場であっても、遺品の整理については通常の遺品整理と同様に、一つひとつ確認しながら進めることが大切です。
今回亡くなられた方は、実質的に身寄りのない状態であったため、現金や貴重品については残し、それ以外の物については処分するという内容で、事前に大家様からご依頼をいただいていました。
室内に残された物を確認・分別し、処分する物については適切に梱包を行いました。
その後、一般廃棄物収集業者への処分依頼や、リサイクル業者へ搬入するための段取りを進めています。
すべての家財や残置物を搬出した後は、室内全体の清掃を行いました。
専用の薬剤を使用し、亡くなられた場所だけでなく、水回りを含めた室内の隅々まで清掃していきます。
特に今回は、トイレからも強烈な臭いが発生していたため、原因を確認しながら念入りに清掃を行いました。
しかし、清掃後も確認したところ、トイレ内に残っていた臭いは尿臭や便臭ではなく、下水管から上がってきている臭いであることが分かりました。
この点については、大家様にも改めて現地で確認していただき、状況をご説明したうえでご了承をいただきました。
室内の清掃が完了した後は、特別な薬剤を部屋全体に噴霧し、オゾン脱臭機を使用して除菌・消臭作業を行いました。


孤独死があった室内では、一度の消臭作業だけで終了するのではなく、日を改めて室内の臭気を確認することも重要です。
今回も、時間を置いて臭いの状態を確認しながら、必要に応じて消臭作業を繰り返しました。
最終的に死臭が除去できたことを確認した後、大家様に立ち会っていただき、室内をご確認いただいて作業完了となりました。
回収品目
家具・寝具:ベッド/マットレス/布団/毛布/カーテン/本棚/タンス/ダイニングテーブル/パイプ椅子/食器棚/カラーボックス/鏡台/収納ケース/じゅうたん/ラグマット/こたつテーブル/レンジ台/ミニ仏壇/籐チェア/アイロン台/畳
家電製品:冷蔵庫/洗濯機/液晶テレビ/ガスコンロ/扇風機/電子レンジ/炊飯器/冷風扇/照明器具/掃除機
日用品・その他:衣類/食器類/調理器具
お客様の声/スタッフコメント
作業完了後、大家様からは「今回も迅速な対応と丁寧な作業をしていただき、大変助かりました。本当にありがとうございます」とのお言葉を頂戴することができました。
今回亡くなられた入居者様には、たったお一人のご親族がいらっしゃったそうですが、その方も認知症を患っておられ、実質的には「身寄りのない」状態だったとのことです。
そのため、今回の特殊清掃や室内の整理については、大家様に対応を一任されることになったという事情がありました。
長年住まわれていた入居者様で、大家様にとっても顔見知りの方だったからこそ、お部屋に入ること自体が難しく、精神的な負担も大きかったのではないかと思います。
近年は、高齢の単身者が増える中で、賃貸住宅の大家様や管理会社様にとっても、孤独死や室内での事故は決して他人事ではなくなっているように感じます。
実際にこのような現場に立ち会うたび、孤独死の後に残される問題は、清掃や片付けだけではないことを改めて考えさせられます。
遺品や残置物の整理、死臭や汚染への対応、害虫駆除、消臭、そして室内を次の状態へ戻していくための作業。
大家様や管理会社様、ご遺族様が精神的な負担を抱えながら、これらすべてに対応することは決して簡単なことではありません。
今回も、以前のご依頼に続いて再びお任せいただけたことに感謝し、一つひとつの作業を丁寧に進めさせていただきました。
少しでも大家様のご負担を軽くし、お部屋を次の段階へ進めるためのお手伝いができていれば幸いです。
間取り・日数・人数
| 間取り | 2K |
| 日数 | 3日 |
| 人数 | 6人 |
作業前・作業後
Before


After








