ご依頼の経緯・相談内容
孤独死(孤立死)は、発見されるまでの時間や室内の温度などによって、室内の状態が大きく変わります。特に気温や室温が高くなるほど腐敗の進行が早くなり、死臭が強くなったり、害虫(蛆)が発生したりすることがあります。そのため、夏場の特殊清掃では、汚染箇所の処理だけでなく、強い臭いや害虫への対応も必要になるケースが少なくありません。
特殊清掃では、防護服や防護マスクなどを着用して作業することが基本となるため、夏場は室内の温度が35~40度近くまで上がることもあり、密閉された環境の中での作業は非常に厳しいものになります。孤独死のご依頼は暖かくなるにつれて増える傾向がありますが、もちろん夏場だけに起こるものではありません。涼しい時期や真冬でも孤独死のご相談はあり、冬場の場合は夏に比べて腐敗の進行が緩やかで、死臭や害虫の発生が比較的少ないケースもあります。
今回は、冬場にご遺族様からご依頼いただいた、マンション1DKのお部屋での特殊清掃と遺品整理の作業事例です。

お問い合わせの際には、「父親が部屋で亡くなり、特殊清掃をお願いしたいのですが……」「警察から室内には入らないほうがいいと言われています。」「なるべく早く見積もりに来てもらえますか?」とご相談をいただきました。
ご遺族様は故人のお住まいの近所にお住まいでしたが、警察からの連絡を受けて初めて状況を知ったそうです。突然の出来事に驚き、何から手をつければよいのか分からない状況の中で、室内の特殊清掃と遺品整理についてご相談くださいました。そこで日程を調整して現地へ伺い、室内の状況を確認。
孤独死が発生したお部屋では、通常の清掃とは異なり、汚染箇所の処理や感染症対策、臭いへの対応などが必要になる場合があります。また、故人が使用していた遺品を整理して搬出する作業も必要となるため、現場の状況を確認したうえで、どのような作業が必要になるのかをご遺族様へ一つずつ説明しました。突然のことでご不安も大きい中、作業内容についてご理解いただき、特殊清掃と遺品整理をまとめてご依頼いただくことになりました。
作業前現場状況
今回の現場は冬場だったこともあり、室内にこもっていた死臭はそれほど強くなく、害虫(蛆)の発生も比較的少ない状態でした。室内は大きく荒れている様子もなく、整理整頓されており、故人は布団の上でお亡くなりになっていました。

一見すると室内の状態は比較的落ち着いているように見えても、孤独死が発生した現場では、目に見える汚れだけで判断することはできません。発見後の室内には故人が使用していた布団などの残置物や遺品が残されているため、特殊清掃だけでなく、遺品整理や不要品の搬出も必要になります。
今回のお部屋は1DKだったため、限られた室内スペースの中で遺品の仕分けと搬出を進めながら、亡くなられた場所周辺の状態も確認していきます。ご遺族様が室内に入ることを避けている状況でもあるため、作業を進める際には、故人の遺品を不用意に処分しないことにも注意が必要です。そのため、まずは遺品整理を進めながら、残すものと処分するものを確認し、不要品を搬出したうえで特殊清掃へ移る流れとしました。
作業内容
まずは、故人がお亡くなりになった布団に対して感染症対策を行います。孤独死が発生した現場では、通常の遺品整理とは異なり、亡くなられた場所に残された布団などをそのまま扱うことはできません。必要な対策を行ったうえで適切に梱包し、室内から搬出します。布団の搬出を終えた後は、室内に残された遺品を一つずつ確認しながら仕分けを進めていきます。

ご遺族様にとって、故人が残した品物は一見すると不要に思えるものでも、後から大切な思い出の品だと分かることがあります。そのため、遺品整理では作業を急いで処分するのではなく、故人の生活用品を確認しながら、慎重に仕分けと搬出を進めました。
家具や家電、衣類、日用品など、室内に残されたものを順番に搬出し、遺品整理を進めていきます。仕分けと搬出を終えた後、不要となった品については当社提携先の一般廃棄物業者へ委託し、適正に処分を行いました。遺品整理が完了したところで、本格的な特殊清掃へ移ります。
まずは室内の状態を改めて確認し、故人がお亡くなりになった場所周辺を中心に、体液などによる汚染箇所を確認します。

汚染箇所には専用薬剤を使用し、必要な処理を行います。孤独死の現場では、表面上はそれほど大きな汚れが見えない場合でも、床材などに体液が染み込んでいるケースがあります。そのため、目に見える部分だけを簡単に清掃するのではなく、汚染の状態を確認しながら必要な処置を進めることが重要です。
今回も汚染箇所の処理を行ったうえで、必要な箇所にはコーティング作業を実施しました。冬場の現場ということもあり、死臭や害虫の状態は比較的軽いものでしたが、特殊清掃では見た目がきれいになれば作業が完了するわけではありません。
室内に残った臭いについても対応する必要があるため、最後に高濃度オゾン脱臭機を使用して脱臭作業を行いました。孤独死の特殊清掃では、体液などの汚染を取り除くことと同時に、室内に残った死臭への対応も重要な工程となります。遺品整理、不要品の搬出、汚染箇所の処理、必要箇所のコーティング、そしてオゾン脱臭まで一連の作業を行い、今回の特殊清掃・遺品整理を完了しました。
回収品目
家具・寝具:布団 / 毛布 / 椅子 / テレビ台 / 本棚 / タンス / ダイニングテーブル / ダイニングチェア / 食器棚 / カラーボックス / 収納ケース / 座卓 / コタツ / じゅうたん
家電製品:冷蔵庫 / 洗濯機 / 液晶テレビ / エアコン / ガスコンロ / 電子レンジ / 扇風機 / 照明器具
日用品・その他:衣類 / カーテン / 食器類 / 食料品 / ペットボトル
お客様の声/スタッフコメント
お客様からいただいたお言葉
「大変なお仕事だったと思います。綺麗にして頂き本当に感謝します。」「賃貸物件でしたのでこれで安心して返す事ができそうです、ありがとうございました。」何度も感謝のお言葉を頂きました。後日、管理会社様にも確認してもらうと「匂いもなく綺麗にしてくださりありがとうございます。今後も何かありましたらお願いします。」お言葉をもらいました。
ご遺族様だけでなく、賃貸物件の管理会社様にも作業後の状態をご確認いただき、無事にお部屋を引き渡せる状態まで整えることができました。
スタッフより
賃貸物件で孤独死が発生した場合、ご遺族様が故人のお部屋を片付けるだけではなく、管理会社や貸主への対応、室内の原状回復、近隣への影響など、さまざまなことを考えなければならない場合があります。突然の訃報を受けた直後に、遺品整理や特殊清掃、賃貸物件の返却まで考えなければならないため、ご遺族様にとって精神的な負担も大きくなります。
今回のように冬場で死臭や害虫の発生が比較的少ない現場でも、亡くなられた場所には体液などの汚染が残っている可能性があるため、通常のハウスクリーニングとは異なる対応が必要です。また、発見までの時間が短ければ、汚染や臭いの広がりが比較的少ない場合もありますが、発見まで長期間経過すると、汚染範囲が広がったり、臭いが強くなったりすることで、特殊清掃の工程や原状回復に必要な作業が増える可能性があります。
孤独死や孤立死は、決して他人事とはいえません。高齢化や核家族化などによって、一人暮らしの方だけでなく、家族と離れて暮らしている方の生活状況を周囲が把握しにくいケースもあります。また、年齢に関係なく、突然の体調変化などによって一人で生活している方が亡くなられることもあります。
早期発見につなげるためにも、普段から家族や近隣の方とのつながりを大切にし、連絡が取れない、普段と様子が違うなどの変化があった場合には、早めに状況を確認することが大切です。もしご家族が亡くなられた後の室内清掃や遺品整理、消臭などでお困りの場合は、無理にご自身だけで対応しようとせず、特殊清掃の専門業者へご相談ください。
突然のことで何から始めればよいのか分からない場合でも、まずは現場の状態を確認し、必要な作業を整理することから始めることができます。
間取り・日数・人数
| 間取り | 1DK |
| 日数 | 2日 |
| 人数 | 4人 |
作業前・作業後


After








