ご依頼の経緯・相談内容
「私の母が家の中で孤独死をしてしまって…。お部屋の遺品整理をお願いしたいです。」
ある日弊社にご相談のお電話がありました。
「ご愁傷様でございます。ご遺族様もお辛いことと存じますが、特殊清掃は早めに行った方が良いと思われます。」
「お見積りにお伺いする日程を決めさせていただいてよろしいでしょうか?」
後日、見積りをさせて頂き、ご成約に至りました。
お話を伺うと、
「当分お部屋を貸し出す予定もないので、一旦遺品整理のみお願いしたいです。」
とのことでしたので、今回は消臭作業はせず、体液の除去と汚染物の撤去のみ承りました。
特殊清掃は内容がとてもセンシティブであるため、ご遺族様に対しできる限り寄り添って受け答えをするよう努めております。
ご依頼者様は故人様の娘様でしたので、心理的ストレスは計り知れないことが予想できます。
大切なご家族を失っただけでもかなりの心痛であると思いますが、付け加え孤独死をしてしまったという事実は残された家族をさらに苦しめることでしょう。
さらに、そんな中急いで業者を探して特殊清掃をしてもらわなければいけない状況に追い込まれているわけです。
我々遺品整理業者が少しでもご遺族様に寄り添うことで、お気持ちを軽くすることができれば幸いだと私は考えています。
作業前現場状況
お部屋は一人暮らしをするには十分な広さの2LDKのお家でした。
生活に必要最低限の家財や家電が置いてあるといった雰囲気ですっきりとした印象を受けました。


特殊清掃の現場ではありますが、死臭と呼ばれる臭いが強すぎると感じることもありませんでした。
しかし、ハエは大量発生してしまっていたため、ハエの死骸が様々なところに散らばっていました。
作業内容
体液を我々が踏み荒らしてしまうと部屋全体に体液が広がり、死臭も完全に除去しづらくなってしまうので、先に孤独死されてしまった箇所を特殊清掃します。
今回は畳の上で亡くなられておりましたので、畳も撤去させて頂きました。
畳を撤去するためには、畳の上にある家具を先に搬出する必要がありましたので、家具を搬出した後、畳を撤去します。


特殊清掃の現場というものは、故人様の最後を間近で感じ取ってしまうのでどうしても心が痛んでしまうものです。
その感覚は何年もここで働かせていただいている私でも慣れるようなことはありません。
孤独死をされた方の体液が染み出て、体勢がわかってしまうほど人の形に広がっているのを拝見すると、ご遺体を直接見たわけでなくとも亡くなられた時のお姿を想像してしまいます。
しかし、辛い思いに打ちひしがれてしまってはいけませんので、作業中はできる限り心を無にして作業に徹します。
無事にすべてのご遺品を撤去することができましたので、今回は作業終了となりました。
回収品目
布団/毛布/衣類/冷蔵庫/洗濯機/テレビ台/テレビ/電子レンジ/カーテン/エアコン/タンス/ダイニングテーブル/ダイニングチェア/ガスコンロ/食器棚/食器/調味料/調理器具/カラーボックス/じゅうたん/収納ケース/照明器具/ペットの遺骨
お客様の声/スタッフコメント
今回ご依頼いただきました特殊清掃の現場では、心が痛む遺品が発見されました。
それは、故人様の愛犬と思われる遺骨でした。
故人様はとても几帳面な方だったようで、綺麗に保管された遺骨とともに愛くるしいミニチュアダックスフンドのお写真が添えられていました。
そのほかの遺品の中にも数多く愛犬のお写真が発見されたのです。
そのことから、ミニチュアダックスフンドのワンちゃんは故人様にとてもとても愛されていたのだと感じました。
愛犬にも旅立たれ、そのまま孤独死という最後を迎えてしまったと思うと、心が締め付けられるような悲しさに襲われました。
特殊清掃の現場はリアルな実情を目の当たりにするため、心が痛みます。しかし、我々は悲しさに飲み込まれてしまわないように気を強く保つことが必要となってきます。前に進むためにも、自分の気持ちにしっかりとけじめをつけて、次の現場へと参りたいと思います。
今はただ、故人様が愛犬とともに天国で幸せに過ごされていることを心より願っています。
間取り・日数・人数
| 間取り | 2LDK |
| 日数 | 1日 |
| 人数 | 4人 |
作業前・作業後
Before


After








